テレワークの環境は職場と比べて特殊な環境です。
職場だと「仕事をする場所」かつ「同じ目標(仕事)を目指す人」が集まる場ですので、自然と仕事を継続するサポートが得られやすいですが、テレワークではそうはいきません。
パートナーや家族とは違う仕事をしていることがほとんどで、お互いの仕事に対する理解はほぼありません。その状況で無理やり仕事だけをしようとすると、パートナーや家族と衝突が生まれてしまいます。
私自身、お互いに仕事(テレワーク)への理解がなく、何度か衝突を繰り返してきました。
しかし、最近ではパートナーとテレワークしていることが原因で衝突することはほとんどなく、上手にお互いに快適にテレワークをすることができるようになりました。
今回は、テレワークをしてても家で快適にパートナーと過ごすための心がけをご紹介したいと思います。
テレワーク家庭のパターン
まずは、テレワークをしている人との組み合わせがどうなっているのかを考えてみましょう。下記のパターンにおおむに割り振られます。
- テレワーク+テレワーク
- テレワーク+専業主婦(主夫)
- テレワーク+出社(パートを含む)
これらのパターンでは、テレワークへの理解度、家事の要求度、そして発生しやすい不満がそれぞれ異なってくると思うため、どんな傾向があるのかを考えていきたいと思います。
ちなみに私は、全タイプ経験済みです。
産休・育休の取得でテレワーク+専業主婦パターンになっていたこともありますし、今は夫が週何回か出社しているため、テレワーク+出社パターンも経験済みですので、それぞれの経験も踏まえて書いていきたいと思います。
テレワークと出社を組み合わせて勤務をしている方も多いと思いますので、ご参考になれば嬉しいです。
1. テレワーク+テレワーク
テレワークへの理解度:高
このタイプは、2人ともテレワークをしているので、「テレワーク」という仕事に対して概ね理解があるので、最も平和的に解決しやすいです。
ただし、仕事への打ち込み度合いによってはお互いに仕事に対する姿勢でギャップを感じやすいかもしれません。
相手の仕事に対する姿勢はそれほど大きな支障にはなりませんが、仕事への向き合い方によっては「自分は頑張っているのに、、、」という不満に繋がることが多々あります。
家事の要求度:中
それぞれの仕事に対して概ね理解がありますが、専任で家事をする人がいるわけではなく、テレワークしている人のうちどちらかが結局家事をしなければならないので家事の要求度は中程度です。
家事を押し付け合うことが多くなり、意地の張り合いから仕事を終わらせない、ということも発生します。
また、相手がテレワーク中に家事をすることが抵抗がない場合は、同程度の家事をこなすことを要求される可能性があります。
発生しやすい不満
お互いに忙しいことは理解していますが、その上で家事をする人が偏ると不満が出てきやすいです。
また、テレワークを同じ部屋でやっていると、会議の時間が被った時にどちらが机を移動するのかなど、お互いに仕事をしているからこそ発生する揉め事もあります。
家族と仲良くするコツ
①家事の分担とやる時間帯を決める
お互いに仕事に対する理解がありますので、このパターンは家事の分担とやる時間帯を決めるだけで不満は解消されやすいです。
家事分担をする上で大事なのは固定の家事がどちらか一方だけに偏りすぎていないこと。食事などであれば曜日ごとに作る人の担当を変えたりして、分担することを意識しましょう。
なぜやる時間帯も決める必要があるかというと、人によって家事を片付けておきたい時間がバラバラだからです。
洗濯は朝干したい人もいますし、部屋干しだから夜干してもいいと考えている人もいるかもしれません。大事なのはそのこだわりをお互いに共有していることです。
自分の家事をするタイミングを共有しておかないと、「結局やらなくて私がやらなきゃいけない」と相手に思わせてしまうことになりかねません。
②お昼ごはんを一緒に食べることに注力しすぎない
一緒に家で仕事をしているからと言って、お昼ご飯を毎回一緒に食べようとしすぎていませんか?
その日の仕事によってお昼ご飯を食べれる時間は違ってくるかもしれませんし、忙しさの状況ではお昼ごはんを作ることができないかもしれません。
そんな時に相手に合わせてお昼ごはんを食べたり作ったりしないといけないと思うと、それだけでストレスになってしまうこともあります。
「先に食べているね」と一言伝えるだけでもいいと思いますので、あまり一緒に食べることに注力しすぎないようにしましょう。
③会議の時間は譲り合い
お互いに個室でテレワークをしていない限り、同じ時間に会議が入ってしまっているときは、スペースの譲り合いをしましょう。
狭いスペースで会議をしていると、どうしても相手の声が自分のマイクに音が入ってしまうことを気にしてしまいますし、相手のマイクに自分の声が入ってしまわないか気になって会議に集中できなくなってしまいます。
そのため、必然的に部屋をリビングとテレワーク部屋、と言った形で分ける必要が出てきます。
この時、どちらがリビングに移動するのかで揉めることもあります。普段テレワークをしている部屋の方がモニターが設置されてあったりして環境が整っているからです。
ですがどちらも譲らなければ会議品質の低下になりますので、このときはお互いに会議の内容からリビングに行くことを自分から提案しましょう。
もちろん、画面投影などの都合で外部モニターが必須のケースもあるので、そういう時には相手にリビングに行ってもらえないかお願いしてみましょう。
大事なのは、お互いの会議の内容を考慮して譲り合うことです。会議の内容は相手にしか分かりませんので、自分は⚪︎⚪︎のこういう会議の予定なんだけど、あなたはどんな会議?と聞いてみましょう。
私たち夫婦の場合は、テレワークの日は朝のうちに何時から会議があるのかを共有します。そして、会議が被っている場合は、どちらがリビングに移動するのかを事前に決めてしまいます。
そうすることによって、直前になって会議場所で揉めず、仲良く過ごすことができます。
2. テレワーク+専業主婦(主夫)
テレワークへの理解度:中
具体的にどんな仕事をしているのか理解できていないものの、実際に働く姿を家の中で見ているので、ある程度テレワークへの理解はあります。
しかし仕事自体を理解しているわけではないので、会議中や集中しているタイミングで話しかけられたりと仕事への妨害が多々発生します。(自分の場合は多々発生させていました。)
家事の要求度:低
専業主婦(主夫)がほとんど家事をしてくれるため、家事の要求度は低くなります。
家にいるから多少家事をして欲しいと思うことはありますが、そもそも専業主婦(主夫)側が仕事をしているわけではないという負目から家事を相手に求めることは少ないです。
発生しやすい不満
テレワークをすることで日中帯に家にいることで、昼ごはん作りなどの新たな家事の発生、物理的にいることによる家事の邪魔、1人の時間がなくなることからストレスの原因になることがあります。
昼ごはんの作成は、自分1人だと超適当なご飯で済ませることができたのに、パートナーがいるからまともなご飯を作る手間が増えるという憎しみの気持ちも追加されます。
また、テレワーク中の話しかけないで欲しいタイミングが相手に伝わらずに、邪険に扱ってしまうことで相手が不満を持つこともあります。
家族と仲良くするコツ
①そもそも家にいない
家にいることで家事の邪魔になっているケースもあるため、1日中家にいることをやめると不満が解消されやすいです。1日フルで外に出ている必要はありませんが、午前中だけワーキングスペースに行ったり、カフェで仕事をするでも良いでしょう。
家からでて仕事をすることが難しい場合は、特定の仕事スペースから出ない時間帯を作り、それを相手に宣言するのも効果的です。
②お昼ごはんは自分で作るか外食する
お昼ご飯作りはテレワークでの最大の壁と言っても過言ではないです。この昼ごはん作りが重く家事としてのしかかってきて、専業主婦といえどかなり億劫な作業です。
そのため、お昼ごはんは自分で作るか外食するのがおすすめです。
特に外食は外散歩にもなってリフレッシュ効果が高まります。お財布が許すなら外食がおすすめです。
③パートナーにも1人の時間を提供する
テレワークをあなたがしていない場合、その時間はパートナーが本来家に1人でいる時間の予定です。それがテレワークをしていることによって、1人の時間というものがなくなってしまいます。
1人の時間がなくても大丈夫という方も一定以上いますが、多くの方は1人の時間も大事にしたいと考えるでしょう。
そのため、相手にも1人の時間というものを提供してあげましょう。具体的に何をするかというと、下記の対策があります。
- 相手のことを視界に入れない(グータラしても大丈夫な雰囲気作りをする)
- 相手に話しかけない時間を作る
- 相手が何をしていても文句を言わない
1人の時間は往々にしてリラックスした時間になりやすいです。人に見られたくないような姿になることもちらほらあるでしょうから、なるべくパートナーに自分の存在を意識させないように気配を消してください。
④話しかけてほしくない時のサインを決める
テレワーク中、集中していたり会議をしていたりで、話しかけてほしくないタイミングが時折発生すると思います。しかし、テレワークしていない方は明示的に示されないと話しかけていいタイミングと悪いタイミングの区別がつけれません。
そのため、話しかけてほしくない時の合図を事前にパートナーに伝えておきましょう。
合図の例は下記などがあります。
- 部屋の扉を閉める
- イヤホンをつけている
- 机の上のオブジェが特定の場所におかれている
合図自体はお互いに分かれば十分です。不用意な衝突を避けるため、事前に合図を決めておきましょう。
3. テレワーク+出社
テレワークへの理解度:低
テレワークをしている姿を見ていないので、仕事が何をしているのかが具体的にイメージできず、時間的な余裕があると思われやすいです。
また、相手は出社で通勤時間が追加される分、外での拘束時間が長くなります。その一方でその拘束時間がテレワーカーにはないと思われますので、その分の時間を家事に充てて欲しいと思われることもちらほら。
リアルなコミュニケーションを会社でしている分、チャットやWeb会議でのコミュニケーションを取りながらのテレワークの大変さが理解してもらいにくい面もあります。
家事の要求度:高
片方は出社しているため、出社よりも家にいる方が家事ができるという理由で家事をすることへの期待度が高くなります。
ナチュラルに家事を渡されやすく、「やって当然」という空気感が出てくるのもこのタイプです。
発生しやすい不満
家事全般をやらないことへの不満が発生しやすいです。
家族と仲良くするコツ
①事前にやる家事を話しておく
このタイプは、事前に何の家事をやるのかを宣言しておかないと、気がついたら全部の家事を済ませておいて欲しいと思われかねません。
しかし、相手の期待する家事全てをこなすことは難しいのが現実です。そのため、事前に期待値のすり合わせを行いましょう。
テレワーク中にしておいて欲しい家事を相手から聞き出し、最低限の家事をこなすことを約束しましょう。
テレワーク中なのに家事をしなければならないのか、と思われるかもしれませんが、そこは譲り合いです。実際、出社してる人よりも時間的拘束は少なくなりますので、それを考慮して自分から家事を申し出るのが大事です。
ただ、忙しすぎて家事に手が回らない場合はその旨を伝えましょう。ただその場合も、自分のお昼ごはんの食器は洗うなど、日中帯に自分がいることによって発生した家事は自分で片付けるべきです。
②仕事の話をする
出社していることもあり、相手とのコミュニケーションする時間が一番低くなるのがこのタイプです。
これまでのタイプはなんだかんだ家に2人ともいるので、合間合間で会話をすることが多いですが、片方が家にいないと会話をする時間も少なくなります。
また、実際にテレワーク中の仕事ぶりを見ているわけではないので、本当に家事をやる時間もなかったのかは相手には判断できません。
その判断材料として、今日どんな仕事をしたのか、こんな話があった、などの雑談レベルで仕事の話を共有すると、テレワークで何をしていたのかが分かり、不満を抱きにくくなります。
まとめ
今回はパターン別にテレワーク中にパートナーと仲良く過ごすためのコツをご紹介しました。
基本的な対策は、テレワーク中に限らず人と共同生活を送っていく上で重要なコミュニケーションだったり、助け合いだったりします。
即座に不満解消まではいかないものの、話し合いや相手がどんなことを思っているのかをフラットに受け止めるだけで、家族との関係は良好になっていくことが多いです。
是非とも今回ご紹介した対策を参考に、快適なテレワークライフを送っていって欲しいです。