コーヒーと自己肯定感
私はコーヒーを毎日飲む。
基本的にハンドドリップで、ときどきマキネッタでエスプレッソを作って飲むこともある。
マシンはないので、毎回そこそこの時間をかけてコーヒーを淹れる。
正直コーヒーをハンドドリップで入れるのって面倒くさい。
ただ、コーヒーを淹れる時間は、私にとってマインドフルになれる時間のひとつだ。
豆を引いた後にふわっと香る匂いを嗅ぐことで深呼吸し、
ハンドドリップ中のドリッパーからポタポタと落ちる水の音に耳を澄ませ、ぷくぷくと膨らむ泡を見つめて、今日も「よく膨らむなぁ」とぼんやりと思う。
そして最後にコーヒーを口に含み、苦味と酸味の複雑な味わいを楽しむ。
たった5分程度だが、コーヒーを淹れるという作業だけで5感を刺激し、「いま」を感じることが出来る。
あえて手間がかかることに毎日一回取り組むことで、少なくとも1日一回なにかをやった気持ちになれる。
日々なんとなく生きてしまいがちな日々の中で、少なくとも今日達成したこととしてカウントできる(カウントするようにしている)ので、自己肯定感を維持できる。
夫婦のコーヒーの話
また、我が家は夫婦共々コーヒーが好きだ。
朝ごはんの後には大抵どちらかが、「コーヒーのむ?」と聞いて2杯分淹れる。
別に聞かなくてもどうせ飲むんだろう、そうは思うものの、何気ないこの問いかけで生まれる夫婦の時間が好きだったりする。
コーヒー1杯作るのも、2杯作るのもハンドドリップにおいては、豆の量が増えるくらいの違いしかないので、コーヒーを淹れる事になった時点で手間は変わらない。
手間がかわらないからこそ、手軽に相手を気遣う事のできるコミュニケーションの一つになっている。
夫婦とはいえ他人である。相手を気遣うというのは夫婦生活を円満にする上でとても重要だ。
それをコーヒー1杯余分に淹れるだけで達成できるなら、儲け物じゃないか。
正直夫がそこまで感じているかはわからないがそれでいい。自己満足の世界だ。
今日という日に、自己と自他を大切にし、愛することができた証として、コーヒーを味わう。
この話を読んだ方々も、
日々の成長と愛を、コーヒーと共に味わうことができるようになったら嬉しい。